2026.09.27

.昭和二年に建てられた、旧日本銀行福島支店長の役宅、御倉邸。ひとつの建物の中を、いくつもの時代が通り過ぎてきています。今...

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昭和二年に建てられた、旧日本銀行福島支店長の役宅、御倉邸。

ひとつの建物の中を、いくつもの時代が通り過ぎてきています。

今日は、その古い建物の中、着物を纏う女性たちの傍らで、コーヒーを淹れていました。

畳の部屋に着物、静かな庭、ゆらゆらと揺らぐ硝子から差し込む光、広がるコーヒーの香り。

夕方になると、阿武隈川を渡る風が、すっと庭から邸内を抜けていく。

その風がとても気持ちよくて、なんだか時間までゆっくりしているようでした。

でも時計を見ると僕の感じる時間よりも、ずっと進んでいる。時間はいつの間にか遠くまで行ってしまっている。

そのことが、妙に面白く感じました。

時計の針が刻んでいく時間と、その場所にいる自分が感じている時間。それは時に不思議なくらい離れてしまう。

御倉邸は、昭和二年から今日まで、ずっとここにある。

そのあいだに、ここで暮らす人が変わり、訪れる人が変わり、着るものも、街の姿も、世の中も変わりました。

それでも建物は、過ぎていく時間の中にありながら、静かにそこに残っています。

今日もまた、そこにはずっと流れ続ける時間が、川を渡る風と同じように過ぎて行きます。

そんな時間を、御倉邸は昭和二年から眺め続けています。

ここで淹れるコーヒーは、時間まで少しゆっくりになるような、そんなコーヒーが良いのかもしれないと思いました。

次にここで淹れる時はそんなコーヒーをお持ちします。

どんなコーヒーか、分かりませんけど…。

明日はお休みです。ご足労なきように。
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