栃木県宇都宮市に本社を持つ塗料販売会社「杉村塗料株式会社」。
福島支店事務所の建て替えのための設計を手掛けました。
旧事務所を解体し同じ場所に新事務所を新築したいという計画でした。
塗料会社さんということで、
カラフルなイメージでありながら事務所として落ち着いて作業ができるよう
全体的に彩度を抑えたやわらかな色で統一をしました。
会社カラーのひとつであるピンクと、
それを引き立てる補色のグリーンを組み合わせることで
来社される方に印象的なビジュアルインパクトを与えます。
また、目線よりも上の位置で色の切り替えを行うことで
作業中は視界が落ち着き、集中しやすい空間を実現しました。
事務所で作業する従業員は女性の方が多いため
空間全体がやわらかな雰囲気になるよう
カウンターデザインや間仕切り壁、エントランステーブルなどに
素材や形に手描きのような曲線を取り入れました。
また、塗装の際の曲線的な筆の動きから発想を得ており
“やわらかさ”と“塗る行為”を重ね合わせたデザインとしています。
|空間と利便性を両立
今回、机や棚は全て造作家具で仕上げました。
空間に合わせたデザインや素材を選定し、利便性に考慮して設計しました。
エントランスから入ってすぐには曲線のテーブルがあります。
テーブル全体を使用して複数人で打合せをしたり
小さいスペースで一人作業をしたり
用途に応じて多様な使い方ができます。
執務用テーブルには配線が隠れるようにスリットを入れており
広々とテーブルを使用できるようにしています。
壁面に合わせて造作した棚は、
業務で使用するサンプルや資料を見やすく収納できるように設計しました。
資料の出し入れをしやすくするため
あえて目隠し扉を設けず、オープンな仕様としています。
棚の横には、建築基準法上必要な排煙窓や隣地との目線を考慮した窓に合わせて
一人掛けの椅子を新設しました。
窓から差し込む自然光を生かし
資料の確認やちょっとした休憩にも使えるよう設計しています。
椅子まわりの壁面には曲線的な仕上げ材を使用し
全体にやわらかい雰囲気を演出しました。
建築と調和するデザインと使いやすさは
空間全体の心地よさへとつながります。
空間に合わせて家具をつくることで
よりその場所や人に寄り添う形を生み出していきます。
◆構造|木造
◆延床面積|134.98㎡
