…もし世間が元日に対する僻見を撤回して、吉凶禍福共にこもごも起り得べき、平凡且かつ乱雑なる一日と見做して呉る様になったら、余も亦余所行の色気を抜いて平常の心に立ち返る事が出来る。
夏目漱石 元日 「朝日新聞」1910(明治43)年1月1日
漱石先生がそうは言っても、人間、何か節目や境目、切り替わる仕組みがなければ、気持ちや行動を自ら切り替えるのは難しいわけで。
それならば、概ね365日で一段落ついて、新たな心持ちでまた取り組みましょうというのはやっぱりいいです。
旧年中に起きた良いことも悪いことも、大晦日でいったん解消されてリセットされる。
リセットされて新たな年を迎える時に、良い運気を年神様から授けてもらえれば、その1年は総じてよい年になるらしいです。
年神様が各戸に来訪して良い運気を持って来る前に、失礼のないようにお家をきれいにしておきましょうということで大掃除なんかをします。
ちょっと慌ただしい年末や緩りとした年始の良き雰囲気が、今にも残っているのは、なんだか良いなぁと思います。
お正月の行事は昔からの伝統や式たりとして守られているものと、どんどんと変化したり、無くなったりというものが分かりやすくあります。
文化の「伝承(tradition)」と「変遷(transition)」というテーマはとても興味深いのですが、僕は民俗学者じゃないので良くわかっていません。
本来なら新年最初の営業ですから、それっぽい何かがあっても良いのでしょうが…いつも通りです。実家の猫がいつも通り、メンチ切って来るのと同じく変わらずで。
「吉凶禍福共にこもごも起り得べき、平凡且かつ乱雑なる一日」の始まりです。
3日は、10時から18時まで、いつも通りに、暖かくして、お待ちしております。特別なことは何もなく、コーヒーをお淹れします。
#unit_coffee_stand