我邦十何万ノ精神病者ハ実ニ此病ヲ受ケタルノ不幸ノ外ニ,此邦ニ生レタルノ不幸ヲ重ヌルモノト云フベシ。
呉秀三 精神病者私宅監置ノ實況及ビ其統計的觀察
精神障害者の私宅監置に関する全国実態調査のまとめ。私宅監置とは、1900年に公布の精神病者監護法に基づく、私宅での精神病者隔離のこと。ざっくり言えば公が認めた座敷牢の設置です。
精神病者ノ救済・保護ハ実ニ人道問題ニシテ…
同上
100年前に危ういと言われた現場が、そのまま今でも人道上の問題として山積しているような気もします。
だいぶシステム的には変えられてはきていますが、日本の精神医療には入院治療中心主義と薬物治療至上主義があります。
オープンダイアローグという対話による統合失調症へのアプローチがあります。
開かれた対話…本人、家族、友人、医師や看護師、心理師など含めチームでひたすら対話を重ねていくことで、症状が緩和され、薬に頼ることなく地域で生活していけるようになるらしいです。
社会とのつながりは軽視されがちな日本の精神医療からすると目新しいのかも。それに怒られそうですが、どこか人道的で聞こえもいいですし…。
このオープンダイアローグという関わり方は北欧発です。幸福の国たちです。
世界幸福度ランキング1位はフィンランド、2位デンマーク、3位アイスランド、6位スウェーデン、7位ノルウェー。
評価軸は心の健康(ウェルビーイング)など。税金は高いですがその使われ方ははっきりわかる。北欧は福祉が充実しています。
まぁ、精神科領域でも福祉でも先進と言われております国々です。
一方での別統計。
OECD29カ国抗うつ薬使用量順位を見ると、第1位はアイスランドで人口1000人当たり146日分の抗うつ薬が服用。
6位にはスウェーデン(103日分)、9位にはデンマーク(76日分)、10位フィンランド(75日分)。
そして国連「持続可能な開発ソリューション・ネットワーク」が発表した「世界幸福度ランキング」の上位ランキングと「抗うつ剤の最多消費国」のランキングの相関というデータがあります。
幸せな国にランク入りしている国のうち、抗うつ剤の最多消費国のランキングに入っていないのはスイスとオランダだけ。この2カ国は安楽死と大麻をめぐる特殊な事情をお持ち。
抗うつ薬の使用と幸福度の因果関係やら相関やらは分かりません。安易に相関をとって、これには正の相関があるとかないとかいうとおかしなことになりがち。
ですが面白いなぁと。
ワンサイドからだけで、聞こえのいい話を信じると、どこが真実なのか分からないまま、ただ他者を批判するだけで終わってしまうことが多いです。
人の話を聞いていると、その相手の言い分はどうなんだろうなぁと思うことがしばしばだったので。
民間と公とか男性と女性とかあの人とこの人とか…VSで人のことを話していると陥りがちです。あんまり人のこと批判したりはしないようにしたいですね。
ちなみに頭が痛い時は頭痛薬を飲みます。我慢してるよりよっぽど良いです。薬で幸せになれます…ヤバいでしょうか。
明日は14時からです。
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