2025.10.15

.東京は、哀しい活気を呈していた、とさいしょの書き出しの一行に書きしるすというような事になるのではあるまいか、と思って東京に...

.
東京は、哀しい活気を呈していた、とさいしょの書き出しの一行に書きしるすというような事になるのではあるまいか、と思って東京に舞い戻って来たのに、私の眼には、何の事も無い相変らずの「東京生活」のごとくに映った…
…「この、うなぎも食べちゃおうか。」私はまんなかに取り残されてあるうなぎの皿に箸をつける。「ええ。」「半分ずつ。」
 東京は相変らず。以前と少しも変らない。
太宰治 メリイクリスマス

太宰はとても鰻が好きだったようで、「午後三時まで仕事して、三時以降は、ウナギ屋でお酒を飲み、ヘトヘトに疲れています」というような手紙も書いています。

メリイクリスマスは、昭和21年、東京に戻った太宰の第1作の短編。昭和22年、『中央公論』1月号に掲載されました。

儚く美しい作品です。ささやかな再会と唐突な喪失。死者を悼む弔いは少し騒がしい日常の喧騒の中。

どんなに悲しいことがあったとしても日常は続きます。何も変わることがなく。

大して劇的なことなどない凡庸なる人生が進むわけですが(少なくとも僕は)、生きていけば、必ず儚い思いに駆られたり、避けられない喪失を体験したり、もちろん嬉しいことも経験します。

そんな事を経験しながら、自分にとっては大きな変化を感じていても、日常は何ら変わらず、ただただ続いて行きます。僕の思いなどには全く関係なく世界はまわります。

残酷なようでもあり、でも、だからこそ生き続けることが出来るのでしょう。

何もない日常ですが、本日も変わらずお客様にお越しいただけました。明日も特に変わり映えのない日常を。それが嬉しいです。

今日はうなぎ。面倒なので切らずに乗っけたら丼からはみ出しました(笑)
明日はうなぎは焼きませんが、コーヒー豆は焼きます。

ぶどうのヨーグルトムース…甘さのバランス間違えなければお出しします。

それぞれ系統は違いますが、雲南DEHONGやMENGLIANなどのチャイナのコーヒーやHonduras Caballero のGeisha やJavaなんかにも合うかと思います。

朝は10時から、夕方18時までおまちしております。



#unit_coffee_stand

※本ニュースはRSSにより自動配信されています。
本文が上手く表示されなかったり途中で切れてしまう場合はリンク元を参照してください。