2025.11.10

.天神橋辺りの阿武隈川には薄っすらと雨靄がたち、川はゆっくりと色を変えていました。音も色もやわらかく、すべてが曖昧に見える...

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天神橋辺りの阿武隈川には薄っすらと雨靄がたち、川はゆっくりと色を変えていました。

音も色もやわらかく、すべてが曖昧に見えるからか、町並みごといつもより綺麗に感じられました。

二度目の御倉亭 @oguratei_official は、雨の午後となりました。着物のイベント以来です。

ガラスのはまった格子の扉を開けくぐると、あたたかな笑顔が迎えてくれました。

「あらあらコーヒー屋さん」と出店でお世話になった管理人さんがお迎えして下さいました。

その言葉に微笑みを返しながら、管理人さんとは初対面の連れが頭を下げるのを見て「時間あるなら案内するから上がって」と。

この場所はただの風景ではなく、ひとつの時間としてそこにある気がしました。

文化はモノの古さや価値だけでなく、そこにいる人の思いや暮らしが紡ぐものなのだなと改めて感じた瞬間でした。

ドイツ製の板ガラスに伝う雫が淡く景色を映して、僕らの影をぼんやりと歪めていました。

「ここに座ってちょうだい、その目線で見るように雪見窓があるの。」
「こういうの日本的な美なんでしょうね。未完成であることの美しさっていうのがある」
「他の文化財とは違って、公邸だから華美ではないけれど、一つ一つ丁寧に厳選した建材でこだわりが見えるでしょう」

案内してもらいながらぐるりとひと周り。

「ここから見える山も川も、それから空も、全部がここの庭。」

帰る頃の空は、灰色の奥に微かな青を抱いていました。

「これから美味しいものでも食べるの?」「いいえ、もう食べてきちゃった。」
などと連れと笑顔で会話をする様を見つつ、見送られて御倉邸を後にしました。

こういう町で、コーヒー淹れながら、続いていく営みの一部になれたらいいななんて、ちょっとそんなふうに思いました。

明日は10時から18時まで、のんびりとお持ちしてます。森合も同じく良い時間が流れます。



#unit_coffee_stand

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