そのころ自転車で武蔵野を歩くのが唯一の趣味だった。いや金がないから趣味はそれだけしかゆるされないのだ。
一生のうち、果して新しい自転車に乗れるであろうかと時々考えていた。
四十年の夏頃だったろうか「少年マガジン」から短編をかけと・・・これがきっかけとなってまんが家としての運がひらけてきたようだ。
しかし新車のペダルを踏み武蔵野を散歩しながら苦しみは一向に減らないもんだなあ、と考えるこの頃である。
現代漫画5 水木しげる集「ねぼけ人生」(1969年)
水木しげるの妖怪百鬼夜行展〜お化けたちはこうして生まれた〜
山形美術館にて楽しんできました。予想以上に原画が見られました。
水木しげると言うと、多くは「ゲゲゲの鬼太郎」なんでしょう。
ただ僕が好きなのは、風刺的な数々の作品。
モノゴトの絶対的価値観に疑いを抱き、相対的に眺めようとする。
でも決して突き放してはいなくて、不思議に明るい。優しいのです。
水木作品、ゲゲゲはあまり持って無いのですが、けっこうマニアックなものは持っていたり。
人間というのは、なんとも贅沢にできているようです。
なんと素晴らしいことだと満足することはないようで。
僕もまだまだ満足するという境地には至っていないので、あれもこれも欲しいままです。
手に入れても次が欲しくなる。
コーヒー関連は色々欲しくてしょうがなくて、手に入れても苦悩が続きます。結局、それも楽しいのですが。
水木先生は「ほんまにオレはアホやろか」(1978年)の中で、ゆるやかに進むことは生を豊かにする、というようなことを書いています。
欲しいものを追いかけ、手に入れて、また次が欲しくなる。そんな果てしないループを繰り返しながらも、急ぐ必要はないのかも。
明日は10時から。
いつも通りに、ゆるやかに。
