雨、雪の降るもの、月も満月よりはおぼろ、雲隠れを愛した伝統的な美意識に随ったものとして、「雨」に惹かれたといってもとりたてて問題は生じ得ない…
塚田清江 雨の文学 -樋口一葉 考-
日本人の美意識や感受性は、見えないものを愛で、隠るるものを尊重するところがある気がします。
それは昼よりも夜であり、晴天よりも雨という心性。美しく儚く、朧な夢の如く。
一葉の「たけくらべ」「雨の日」「雨の夜」…雨の日の出会い,雨の日の悲劇、文学的に昇華された美しい言葉達は、皆雨と共にあるように感じます。
叙情的な物言いで「雨とコーヒー」なんていう言い回しもよく耳にします。
それも日本的美に通じるニュアンスが潜んでいるからでしょうか。
そうは言っても土砂降りの最中にコーヒーをあえて飲みにきていただける稀有な方がそう多くいる訳もなく。
今日のような雨なら、それでもゆるりと過ごしに来られるお客様もそれなりにいらっしゃるけれど。
「いや降りに降りしきり」する雨の音、しとどに降る雨の音に眠れず文机に向かうなんていうのも良いのですが…文机ないですし、デスクの上はもはやコーヒーの生豆に占領され気味。
帰りの時間は土砂降り。「線状降水帯や〜」って喜んでる変なやつと、びしょ濡れになりながら回転寿司を食いに行くことに美は一片もなく…。
バカみたいなコーヒー話をしながら、それでも美味しく頂きました。ずぶ濡れで寿司食いながらコーヒーの話しって,本当にアホですわ。さっさとホンジュラスに送り込もうか…。
明日は急遽ですがお休みをいただきます。くれぐれもご足労のなきように。
12日の金曜日は14時から21時までの夜カフェです。お待ちしてます。
#unit_coffee_stand