GIGAスクール構想が実現すると、児童・生徒ごとに教材を配信できるようになるため、学習状況やレベルに応じた教育が行えます。また、授業中に手を上げにくい高校生などでも、端末から一人ひとりが意見や質問を発信できますので、教員や他の生徒を含めたコミュニケーションが活発になり、教員は生徒の学習状況や反応などを知りやすくなります。
また、教員にとっても、出席や成績などの情報を教員同士で共有したり、各種事務作業を自動化したりするなど業務負担の軽減につながります。事務・雑務に追われる時間が減って、授業の準備や指導方針の検討といった業務に集中できるようになれば、教員側にもメリットが大きい取り組みだといえます。本校でもすでに、成績処理の自動化や、生徒の出欠をタブレットに入力することで通知表や指導要録に自動的に反映されるようなシステムを導入しています。
一方、検討が必要な点も多くあります。たとえば、授業中、調べものをするとき何で調べるでしょうか?出版物である百科事典や辞書等は出版社や著者の責任によって一定の信ぴょう性が約束されています。しかし、無限に広がるインターネットの世界には、間違った記述や意図的に他者を惑わす情報が氾濫しています。私もよく開く「ウィ〇ペ〇ィア」も不特定の人物が加筆・修正することが可能で、読者に対する保証は一切ありません。「情報を正しく活用する力」いわゆるメディア・リテラシーを鍛えていかないと、間違った情報に踊らされ、知らないうちに誤った力に加担しているようなことが起こりかねません。