福島成蹊よくある質問


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2019.03.27

東大合格とは

 今年度、本校105年の歴史の中で初めて東京大学(理科二類)に前期日程で合格者を出すことができました。中高一貫教育を開始して10年目。卒業生としては5年目での達成です。福島県の私立高校では、これまでに過年度卒や、今年度は推薦での合格者が出ましたが、現役一般受験では県内私学初ということになります。これまで、特別進学コースや一貫コースの生徒があとわずかなところではね返されてきたので、ほっとしたというか、感慨ひとしおです。いろいろな所からお祝いの言葉をいただき、改めて「東大合格」の意味の大きさを実感しています。
福島成蹊中学校・高等学校|福島県・中高一貫校・オープンスクール
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 ただ、誤解をまねくことを恐れずに言うならば、私は(あくまで個人的見解です)教育のあり方として見れば、東大合格は他の大学合格と同等の価値と考えています。
 
 東大に合格するには言うまでもなく並々ならない努力によって力を伸ばすことが必要とされる訳ですが、そのことは大小の差こそあれ、他の大学でも同じです。もっと言うなら、大学進学が人生の唯一の正解ではありません。生徒一人ひとりが自分と向き合って夢や目標に向かって成長することに意義があり、それを支援し実現に導くのが教育のあり方です。したがって、すべての努力成長は、程度の差こそあれ、本質的には同等の価値であると私は思っています。

 しかし、問題は他の所にあります。統計によりますと、2018年の福島県の東大合格者は、高校3年生1000人当たり0.82人で、47都道府県中43位だそうです。トップの東京は10.95人。実に10倍以上の差があります。では、福島県には学力の低い子どもばかりが生まれるのでしょうか。もちろん、そんなはずはありません。

 このことは個人だけの問題ではありません。東大を卒業すれば、日本や世界の中心に近い職業につくことが確率的には多くなります。そういった中に故郷として福島を愛する人間がいないとしたら、どうでしょうか。

 首都圏では東大をめざす子どもは、早ければ小学校4年生から学習塾に行きます。そして難関中学校合格に向けて勉強します。そのことに意味があると思うかそうでないかは、人それぞれの価値観だと思います。先にも述べましたように、東大だけが人生ではありません。しかし、問題なのは、東大に進学したいと思った子どもを導く環境が東京にはあるが、福島には無い、もしくは極めて少ないということではないでしょうか。本校の中高一貫コースはそういった思いから立ち上げました。

 学校、特に私学は宿命として、大学合格者数や部活動の成績などの「実績」を要求されます。本来、教育の価値は形として提示できないものも大きいのですが、やはり、実績は分かりやすいからです。東大に一般で合格したという事実は、本校にその環境があると言うことの端的な証明になります。もちろん、本人の努力にもっとも価値があるわけですが、それを支え導いた教員陣にも敬意を表します。

 私も広報担当としてずっと「東大合格は出ます」と言い続けてきましたので、「合格サギ」にならなくてすんでホッとしています。

福島成蹊中高一貫ホームページ→http://www.f-seikei.ed.jp/jhs/
福島成蹊高等学校ホームページ→http://www.f-seikei.ed.jp/hs/

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