福島成蹊よくある質問


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2020.04.29

成蹊を探れ! 第8回 2つの茶室 ~不二庵と自蹊庵~

 「女子に実用的な教育を施す」ことを掲げて1913年(大正2)に開校した本校では(詳細は「成蹊を探れ!第10回」をお待ちください)、最初の生徒募集広告にも「茶湯」の教員の存在が明記されており、茶道を教育の柱として重視してきたことがうかがわれます。

 茶室「不二庵(ふにあん)」は1965年(昭和40)3月31日に竣工しました。「不二庵」の命名は第4代校長で岩谷観音の住職でもあった明石智真先生によるものです。仏教には「二而不二(二にして二ならず)」という教えがあります。これは「仏」と「自身」は別々の二つのものと考えがちだが、実は二つではなく一つであり、自分に内在する仏を探れ、という意味で、この求道の心が茶道の根本に通ずる、ということからの命名であるということです。

 不二庵は当初、上浜校舎の正門を入った正面に建築され、また当時、東北初という取り組みでもあり、茶道教育に対する思い入れや誇りが強く感じられます。その後、上浜校舎の改築(「成蹊を探れ!第6回グラウンドの謎」参照)により、敷地南側へと移転されました。
 不二庵は、茶道部の活動や、当時の教育課程にあった必修クラブ(授業として全員参加で行ったクラブ活動)に使われました。茶道部は普段の活動に加え、桃李祭、敬老茶会など広く活動し、デンマーク大使が来県した際の接待の茶席にも参加するなどの実績がありますが、それらを支えたのが不二庵でした。 
 創立100周年記念事業の南校舎建築にともない、不二庵は役割を終えることとなり、「お別れ茶会」が2013年(平成25)4月1日に開催されました。その後、不二庵の建物は、成蹊と関わりの深い方に引き取られ、新しい命を吹き込んでいただきました。


福島成蹊中学校・高等学校|福島県・中高一貫校・オープンスクール


 創立100周年から4年さかのぼる、2009年(平成21)、福島成蹊中学校が設立され、中高一貫教育がスタートしました。この教育の柱の一つとして「国際教育」が掲げられ、その前提となる「自文化理解」すなわち、日本文化を総合的に学ぶことを目的として「茶道教育」が開始されました。中高一貫生は全学年、定期的に茶道を学ぶこととなり、また、中学校には「茶道部」も立ち上げられ、その施設として現・腰浜キャンパスの敷地内に新・茶室が設置されました。
 この茶室はもとは東京日本橋浜町の料亭内にあったものを、故山田英二理事長が購入され、福島市黒岩のヤクルト福島工場に移築したものでした。その後、養子の故山田広助理事長が自宅に移築しておりましたが、生前、「次代を担う子どもたちのために役立ててほしい」と語られていたことから、中学校の開校に合わせ、素子夫人により寄贈、移築されました。
 2009年(平成21)10月、裏千家第15代家元千玄室大宗匠のご出席のもと、茶室披きが行われ、大宗匠が自ら命名、揮毫された『自蹊庵(じけいあん)』の額を寄贈いただきました。

「自蹊庵」建築時に作られた紹介資料です。 
福島成蹊中学校・高等学校|福島県・中高一貫校・オープンスクール
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 2009年(平成21)から2013年(平成25)までの4年間は、本校は2つのキャンパスに「不二庵」と「自蹊庵」が並存していました。現在は自蹊庵で中学生、高校生とも部活動や授業に励んでいます。

 ここ数年間行われているアメリカのハーバード大学経営大学院との交流を始めとして、本校には海外の多くの学校、団体が訪問されます。その際にもできる限り自蹊庵でお茶を飲んでいただき、たいへん喜んでいただいています。また、中学生はカナダ研修旅行の学校交流の際に、日本文化体験の一環として先方の学生や先生方にお茶を体験していただき、微力ながら日本文化の理解を広めるべく努めています。

福島成蹊高等学校ホームページ→http://www.f-seikei.ed.jp/hs/
福島成蹊中高一貫ホームページ→http://www.f-seikei.ed.jp/jhs/

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