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2020.04.22

成蹊を探れ! 第3回 校歌の謎 ~校歌は何番まで?~

 成蹊の校歌は、数多くの校歌を作曲した古関裕而先生の校歌第1作であったらしいということは、以前、このコラムでもお話ししました。

 ところで、成蹊の校歌は何番まであるの?と聞くと、関係者は「もちろん2番でしょ」と答えることでしょう。しかし、昭和14年の卒業アルバムには次のような記載があるのです。

福島成蹊中学校・高等学校|福島県・中高一貫校・オープンスクール
 
 ん? 3番まである・・・。しかも今の1番が2番になっている! どういうこと・・・?

 実は校歌は5番まであったことが分かっています。


福島成蹊中学校・高等学校|福島県・中高一貫校・オープンスクール

 このについては、その答えを、元校長の鈴木次男先生が1990年(平成2)発行の生徒会機関誌「小蹊」で書いてくださっています。そのポイントをまとめると次のようになります。
 ○校歌はもともと5番まであった。
 ○日頃は1・3・5番を「3番」として斉唱していた。
 ○昭和20年の敗戦後、天皇主権から国民主権への転換により、「天皇主権」の色の濃い校歌は見直しを迫られた。新校歌を制定した学校も多かったが、本校は3番の「我が学校の~」を残して1番のみとした。
 ○昭和52年に「2番がほしい」という論がおこり、旧2番を復活させた。
校歌にも激動の歴史の痕跡が隠されているのですね。

 校歌は文語文(古文調)で、意味が分かりにくい所もありますので、注釈をつけてみました。

福島成蹊中学校・高等学校|福島県・中高一貫校・オープンスクール
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 私としては1番の4行目にを感じます。(古文の話になるので、面倒な方は読み飛ばしてください)
  ①「蔭」は「影」ではないのか?
    「蔭」とすると「何かの陰」という語意となり、「ひっそりと小道ができる」という意となります。
    一方「影」には「姿・形」の語意があり、「慕って集まってくる人々の姿が小道となる」意となって
   こちらの方が主題に合うと思います。また、前行の「来る」も文語では通常、連体形となります。
  ②「や」の意味は?
    「や~べき」で係り結びと考えるならば、「や」は疑問・反語となるのが普通ですが、そうすると、
   「小道となるのでしょうか」もしくは「小道とはならないだろう」という意となり、明らかに変です。
    「や」はリズムを整える働きととるなら、係り結びは起きず、文末は「なりぬべし」となるはずです。
    合理的な解釈としては「や」の働きは後者で、文末は連体中止法(詠嘆)による、というものですが、
   果たして?

 校歌は「7音・5音」が4回繰り返されるリズムとなっています。これは「今様(いまよう)」という、平安時代に生まれた日本古来の伝統的なリズムです。誰でも知っている今様の歌も多くあり、「蛍の光」や「荒城の月」、新しめでも「水戸黄門のテーマ」「ギザギザハートの子守唄」などがあります。したがって、校歌も含め、これらの曲は歌詞を入れ替えても歌うことができます。実際、歌うと結構笑えます(不謹慎でスミマセン)。

福島成蹊高等学校ホームページ→http://www.f-seikei.ed.jp/hs/
福島成蹊中高一貫ホームページ→http://www.f-seikei.ed.jp/jhs/

 

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